聞いたんだ。アレはあるかって。そうしたら「そんなの無い」って答えた。それなら興味が無いから何処かへ消えろ、と言ったのは言うまでも無い。消える代わりに見えたのは、アレより面白いものだった様に思う。だから、暫く居ても良いと言ったんだ。特に何をする訳でも無いけれど。
ただ居るだけで何もしない、時々傍に来て、やりたいとかやって欲しいとか言いに来る。やりたい事を止めるのも良かったかも知れないけれど、それはしなかった。今思えば少し残念な気もするが、あの時は考えもしなかった。あんなものは見た事なんて無かったし、その位やりたかったんだろうね、俺自身も。
互いに楽しければ良いんだ。
何の事かって……そんなの憶えてる訳無いだろう?
【March hare】