【カルチェ】
誰でも良いから。
誰でも良いから。
私は何を言って居るの。
誰でも良い。から。
脳が揺らぐ感覚と吐き気、気の所為かも知れないが眼の奥に白いものが見える。ゆらゆらと、靄の様な何か。あぁ……気分が悪い。凄く悪い。起き上がれない。一体どうしてしまったのだろう。
「……どうして彼奴……何で……」
どうする事も出来無い。もし今あの子の姿を見たならば。生きたまま捌いて、引き摺り出して、空にして、もう一度突っ込んでやる。それはお前のものじゃ無い。私の筈だったのだ。お前が悪いんだ。お前が。
「……殺……したい……殺したい……」
「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い……彼奴……彼奴……」
こんな気持ちは初めてだ。誰かを苦しめたいと思った事は、今まで無かった。それとは対極に居た筈だったのに。バラバラと体が崩れて行く。心がひび割れて行くのが解る。知ってしまった瞬間から、夢の中であの子を何度も殺すであろう。何度も。
「ヒトをコロスには、どうしたら良いのですか……」
夢から醒めたら、死ぬより辛い事をしてあげよう。どう言う訳かあの子は其方を選択する。言う通りに。してあげるんだ。