【リディカ/カルチェ/ネビロス】
強制的に幾度と無く強制絶頂させられ、消えそうな頭の隅で自分は何をして居るのだろうと考える。あの痛みはすっかり無くなって居り、代わりに余韻に浸る様に肉が蠢くのを感じた。今、気絶出来たら幸せかも知れない。正直な所……今は満たされて居る。アレモルテの少女が自分を良く思って居ない事は知って居るが、苦痛が少ない分彼女との行為は本来そうあるべきものであると思えた。薄っすらと見える視界を巡らすと、ベッドにあの青年が居るのが見えた。血と体液で汚れたシーツの上で黒いものが動いて居る。
「……此奴等、力付けるかな」
「解らない」
何と無く聞こえる会話から、アレが何なのかは知らない方が良いと思った。
「私は解放されるの……?」
アレモルテの少女は何も言わずに出て行った。残った青年に抱き上げられ、綺麗になったベッドに運ばれる。体温を感じるのは気の所為だろうか。彼が本当に人間だと言うのなら、此処を一緒に出ると言う選択は?
「……知らない。俺は貴方の事、何も聞かされて無い」
惨劇としか言い様の無かったベッドはまっさらな状態になって居り、傍らに見馴れない箱が置いてある。あの黒いものが入って居るのだろう。何なのかと言うほんの少しの好奇心が生まれたが、それに負けたらきっと後悔する。解り切って居る事では無いか。
「……何?」
箱を持って立ち上がろうとした青年の腕を、掴んだ。