ふと、自らの掌に眼が行く。キラキラと輝く、透き通った翠色。血に塗れて等居ない。ふっ、とダイヤモンドヘッドは無意識に笑いを溢した。
「あ……」
ヒートブラストが驚いた様な表情で短く声を挙げた。何事かと軽く首を傾げると、彼はまた不機嫌そうにある筈の無い眉をひそめた。
「今……馬鹿にしただろ……」
「全く持って気の所為だ。ほら、一緒に考えてやるから機嫌直せ」
話し合うのが同じ境遇のエイリアンでは、なかなか答えの見付かりそうに無い問題だが。
「何奴も此奴も馬鹿にしやがって……」
あの後、彼は「戦士としての名を汚すな」と言った。強く真っ直ぐな意思で、それこそ戦士と呼ぶに相応しい姿で。戦いが無い事が理想、では無い。私達は戦う為に生まれて来たのだから。戦う事と殺す事は違う。それが私の戦士としての変わらぬ考え。信念を貫き、主と共に戦い、護る事が私の全うすべき事。
これを安息と言うのだろう?
【Knight/END】