こうして《仲間》になってから、どの位の時が流れただろうか。今はこうして《一対一のエイリアン》として接する事が出来るが、オムニトリックスの中で初めて出逢った時は驚いた。ガルヴァニック・メカモルフ、アップグレードと呼ばれて居たそれは、グレイマターの種族であるガルヴァンが造り出した兵器の一つ。ただ命令に従い、壊す事しか知らない筈の彼が言葉を話し、更には他のエイリアン達に仲間意識と言うものまで持って居たのだ。
「初めまして、ですよね」
「え?……あぁ……初めまして……」
オムニトリックスに取り込まれた時に記憶の一部が消えたのかも知れない。サンプルと言う意味なら可能性はある。対象のテクノロジーを吸収する様に組み込まれて居るのと、兵器とは言え元の知能はゼロでは無い故、他のエイリアン達の言葉や行動を自らに記憶させただけかも知れない。何にせよ《彼》は、グレイマターの知る《兵器》では無かった。相手は解って居るのか居ないのか……恐らく後者だろうが、道具同然に扱って居た兵器を自分と同等に見る事等出来る筈も無く、況して仲間として受け入れるのは簡単な事では無くて。更には仲間意識と言うものが何方かと言えば苦手な部類に入るのも、それに拍車をかけた。