伝説への序章
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ハイラルに穏やかな朝が訪れようとしていた。
真ん丸の月が西の地平線に沈むにつれ、東の空が白んでいく。
いつもと変わらない、平和な朝が間もなくやっと来ようとしている、その朝焼けの平原を一頭の馬が軽やかに駆ける。
馬に跨がる緑の服を纏った青年は真剣な、しかし柔らかい顔つきで胸を高鳴らせていた。
(あれからもう7年か……)
青年が思い出に耽っていると、彼の愛馬が速度を落として川の縁へと近づく。
「疲れたか?……よし、少し休むか」
本当は今すぐにでも会いたい人がいるのだが、青年は自分をここまで乗せてくれた愛馬のたてがみを優しく撫で、せせらぎの聞こえる場所で休息を取る事にした。
(―――あの時も……こうやっていたっけ、彼女と……)
語り切れない程の冒険を共にした、愛しい人の姿が甦る。
早く会いたい―――……。
熱い想いが段々と強くなったその時、彼の愛馬が水を飲み終えて擦り寄ってきた。
「ゆっくり休めたか?それじゃあ出発するか」
青年は鞍に乗ると、再びまどろむ空の下の平原を駆けて行った。
「ルナ……今会いに行くからな……」
彼……時の勇者とルナの冒険の始まりは、7年前のあの日。
あの日のコキリの森から、伝説の全ては始まった―――……。