繋がれていく輪
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何度目になるか、インパは静かな寝室のドアに目を向けた。
もう昼を過ぎたというのに、2人は一向に起きてくる様子がない。
……訂正、2人と妖精だ。
「ふうむ……」
いい加減に起きてほしいが、昨夜に肝試しと称して特訓させたのは他ならぬ自分なので、強くも言い難い。
ならばもう昼過ぎだと伝えるだけなら……とも考えるが彼らの事だ。
却ってそれが嫌みのように聞こえて、気を落としてしまうのではなかろうか。
兵士相手なら容赦しないが、相手が子供……ましてや自分が遣えるゼルダと同じぐらいの歳だからやりにくい。
「はあ……」
インパが珍しく溜息を吐いたその頃、寝室では。
「…………」
最初に起きたのはナビィだった。
彼女はぼんやりと日差しが入る窓を向いて、しばし微睡む。
(今日もいい天気ネ……)
差し込む日差しが心地よい。
(……あれ?確かこの窓の向きって……)
熟考する事、丸々1分。
「!!!」
太陽の位置から盛大に寝坊したのを知り、羽を強張らせるナビィの声にならない悲鳴が響いた。
『バタバタバタッ!!ドサッ!ドッターン!バタバタバタバタバタッ!!』
「…………」
突然騒がしくなる寝室からインパは様子を察して、新しくお茶を注ぎ直す。
やはりカカリコ村で作った茶葉は香りがいい。
インパがそう思った途端に、どたばたと騒がしい足音が近づいてくる。
「インパさぁぁぁんっ!!」
―――ほんの少しだけ、眉間を寄せてしまった。
「ごめんなさい!!寝坊しました!!寝過ごしましたぁっ!!」
リンクとルナが顔を真っ青汗だくにさせて部屋に飛び込んで来た。
さっきの音からも想像は出来ていたが、どちらも服がちゃんと着られていない。
「……気がたるんでる……と言いたいところだが、昨晩の疲れが出たのだろう。やむを得まい」
王家の墓の中でどんな戦闘をしたかまでは知らないが、汚れた身なりからある程度の事は見て取れた。
それ故あまり責めるような言い方を控えるインパ。
「食事の後にまた訓練をするぞ。……ルナが何かを掴んだようだしな」
「はい!だから今日は期待して下さいネ!」
「……着崩れたままの格好で言われても、何の説得力はないがな」