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水路の奥へと流されてしまったビリーを探す為、ジャンヌは処理場へと足を踏み入れた。
連絡通路を渡れば、程なく電源装置などの機械がある部屋に到着する。
部屋も暗いので電源に異常がないか調べると、単に主電源から落ちているだけだった。
大きなレバーを上げれば、彼女がいる部屋を始めとして処理場全体に明かりが点る。
そうして明るくなった部屋に処理場の地図があったので、ジャンヌは急いで水路の場所を確認した。
「貯水室……。ここで水路が終わってるのね……」
あのまま流されたのだからビリーは必ずここに到達するはずだろうと、ジャンヌは貯水室にマーキングをして道順を確かめる。
「貯水室は地下8階。降りる為には……リフトで降りて、あとはほぼ1本道か……」
今の内に銃弾の補充を万全に済ませ、リフトに乗り込むジャンヌ。
すると突然、無人のはずの処理場に男の声で放送が流れた。
「よくプロトタイラントを倒してここまで来れた。……さあ、最後の役者が君を待っている」
たったそれだけを言って放送は切れた。
(プロトタイラントって、さっき戦った敵の事……?最後の役者って……)
胸がざわつくけれど、何が待っていようともジャンヌはビリーを助ける事以外、気にかける余裕はなかった。
念の為に装備を強敵が現れた用にグレネードランチャーにし、リフトが地下6階に着いてすぐにそれを構えるが、そこにはゾンビが徘徊するだけ。
(ゾンビ相手ならハンドガンね)
素早く使い慣らした拳銃に持ち替えて、ゆっくりと迫るゾンビを撃つ。
作業員らしきゾンビは元の骸に戻ると、血溜まりを広げて動かなくなった。
思えばゾンビに遭遇するのは久しぶりだと振り返るジャンヌは、また弾の補充をしながら考える。
―――どうもさっきの放送が引っかかった。
再び拳銃からグレネードに持ち直し、弾を焼夷弾に変えておく。
完全に人型ヒル対策だが、これも彼女の軍人の勘だった。
プロトタイラント再来の可能性も考えたがさっき倒したばかりだし、放送の内容から察するに繰り返し現れたクリーチャーではないかと考え、対人型ヒル用の装備にしたのだ。
(この先は確か連絡通路だったわね。道が狭いから気をつけないと……)
ゆっくり、ドアを開く。
地図で確認した通り、狭い通路が続いている。
慎重にジャンヌが一歩を踏み出したその時、奥から『役者』が現れた。
不器用に迫る悍ましい姿にジャンヌはまず舌を打ち、そして『やっぱり』と自分の予想が当たったと焼夷弾を発砲する。
「こんな狭い場所で出迎えてくれるなんて、いいサービスしてるじゃない」
焼け爛れて苦しむ人型ヒルに言い放つ。
(さっき“最後の役者”って言ってたわよね……!?コイツが最後の人型ヒルって事……!?)
最後かどうかはともかく、こいつを倒さないと先には進めない。
「まさに……最後の難関って訳ね……!!」
翌々見れば、目の前のヒルは今までのよりも大きく不格好だし、各ヒル達の動きもバラバラで互いに意思が疎通出来ていないようだ。
ただのヒルの固まりになっているそれにひたすら銃弾を浴びせるが、相手は距離を詰めて来るのにこちらは後退が出来ない為、徐々にヒルが迫る。
しかも命中しているにも関わらず、今まで以上に焼夷弾の消耗が激しい。
人型ヒルが無駄な動きをしている隙に、弾を焼夷弾から榴弾に変えて攻撃を続けるジャンヌ。
(とにかく、トドメに火炎系の武器を使わないと……この距離で自爆されたら、私も吹き飛ばされるわ……!!)
プロトタイラント戦でのヒット&アウェー戦法は出来ないので、ジャンヌはただヒルに隙を作る事だけを目的として撃ち続ければ、漸くヒルの頭部と片腕が破壊される。
(―――今だ!!)
バネのように飛び出したジャンヌはヒルと通路の隙間を潜り抜け、広いスペースを取った。
「よし!!」
分がいい場所を取り、ジャンヌに良い条件が揃う。
ヒルとは度々戦って来た成果で、どのタイミングでヒルが自爆するかは把握している。
そのタイミングが来るまで、巧みに榴弾と拳銃を使う。
―――ただ唯一、彼女の不安要素が疎通出来ていないヒル達の行動だった。
全てのヒルが同じ意思で動くのでなく各部位がバラバラに活動するせいで、稀に予想に反した動きをして来るのだ。
最早『人型』と付けるのも際どい程、ヒルの固まりは形を崩している。
頼りになる視覚と勘だけを信じ、ジャンヌはヒルの群れの体力を予測して焼夷弾をセットし直し、グレネードランチャーを構えた。
「これで最後よ!!」
撃ち放った銃弾がヒルの固まりに当たると大きな炎を噴き上げ、焼けた匂いを出す。
悶えるヒルを睨みながら、引き金に指をかけるジャンヌの額に汗が浮かび、流れた。
まだ動くのならば、引き金を引くしかない。
一瞬の動きも見逃さないと言わんばかりの眼光で睨む中、ヒルの固まりはボロボロと泥のように崩れ、跡形もなく消えたところで、ジャンヌは漸くグレネードを降ろした。
「はあ…… 」
緊張が解けたジャンヌが肩で息をすると、後ろから大きな音がした。
咄嗟に武器を構えるが何もない。
音からして、扉のロックが外れたようだ。
どのみち、彼女は先程のヒルを倒さなければならなかったらしいけれど、倒してしまえばこちらのものだ。
ジャンヌは障害がなくなった通路を走り、下の階を目指した。
連絡通路を渡れば、程なく電源装置などの機械がある部屋に到着する。
部屋も暗いので電源に異常がないか調べると、単に主電源から落ちているだけだった。
大きなレバーを上げれば、彼女がいる部屋を始めとして処理場全体に明かりが点る。
そうして明るくなった部屋に処理場の地図があったので、ジャンヌは急いで水路の場所を確認した。
「貯水室……。ここで水路が終わってるのね……」
あのまま流されたのだからビリーは必ずここに到達するはずだろうと、ジャンヌは貯水室にマーキングをして道順を確かめる。
「貯水室は地下8階。降りる為には……リフトで降りて、あとはほぼ1本道か……」
今の内に銃弾の補充を万全に済ませ、リフトに乗り込むジャンヌ。
すると突然、無人のはずの処理場に男の声で放送が流れた。
「よくプロトタイラントを倒してここまで来れた。……さあ、最後の役者が君を待っている」
たったそれだけを言って放送は切れた。
(プロトタイラントって、さっき戦った敵の事……?最後の役者って……)
胸がざわつくけれど、何が待っていようともジャンヌはビリーを助ける事以外、気にかける余裕はなかった。
念の為に装備を強敵が現れた用にグレネードランチャーにし、リフトが地下6階に着いてすぐにそれを構えるが、そこにはゾンビが徘徊するだけ。
(ゾンビ相手ならハンドガンね)
素早く使い慣らした拳銃に持ち替えて、ゆっくりと迫るゾンビを撃つ。
作業員らしきゾンビは元の骸に戻ると、血溜まりを広げて動かなくなった。
思えばゾンビに遭遇するのは久しぶりだと振り返るジャンヌは、また弾の補充をしながら考える。
―――どうもさっきの放送が引っかかった。
再び拳銃からグレネードに持ち直し、弾を焼夷弾に変えておく。
完全に人型ヒル対策だが、これも彼女の軍人の勘だった。
プロトタイラント再来の可能性も考えたがさっき倒したばかりだし、放送の内容から察するに繰り返し現れたクリーチャーではないかと考え、対人型ヒル用の装備にしたのだ。
(この先は確か連絡通路だったわね。道が狭いから気をつけないと……)
ゆっくり、ドアを開く。
地図で確認した通り、狭い通路が続いている。
慎重にジャンヌが一歩を踏み出したその時、奥から『役者』が現れた。
不器用に迫る悍ましい姿にジャンヌはまず舌を打ち、そして『やっぱり』と自分の予想が当たったと焼夷弾を発砲する。
「こんな狭い場所で出迎えてくれるなんて、いいサービスしてるじゃない」
焼け爛れて苦しむ人型ヒルに言い放つ。
(さっき“最後の役者”って言ってたわよね……!?コイツが最後の人型ヒルって事……!?)
最後かどうかはともかく、こいつを倒さないと先には進めない。
「まさに……最後の難関って訳ね……!!」
翌々見れば、目の前のヒルは今までのよりも大きく不格好だし、各ヒル達の動きもバラバラで互いに意思が疎通出来ていないようだ。
ただのヒルの固まりになっているそれにひたすら銃弾を浴びせるが、相手は距離を詰めて来るのにこちらは後退が出来ない為、徐々にヒルが迫る。
しかも命中しているにも関わらず、今まで以上に焼夷弾の消耗が激しい。
人型ヒルが無駄な動きをしている隙に、弾を焼夷弾から榴弾に変えて攻撃を続けるジャンヌ。
(とにかく、トドメに火炎系の武器を使わないと……この距離で自爆されたら、私も吹き飛ばされるわ……!!)
プロトタイラント戦でのヒット&アウェー戦法は出来ないので、ジャンヌはただヒルに隙を作る事だけを目的として撃ち続ければ、漸くヒルの頭部と片腕が破壊される。
(―――今だ!!)
バネのように飛び出したジャンヌはヒルと通路の隙間を潜り抜け、広いスペースを取った。
「よし!!」
分がいい場所を取り、ジャンヌに良い条件が揃う。
ヒルとは度々戦って来た成果で、どのタイミングでヒルが自爆するかは把握している。
そのタイミングが来るまで、巧みに榴弾と拳銃を使う。
―――ただ唯一、彼女の不安要素が疎通出来ていないヒル達の行動だった。
全てのヒルが同じ意思で動くのでなく各部位がバラバラに活動するせいで、稀に予想に反した動きをして来るのだ。
最早『人型』と付けるのも際どい程、ヒルの固まりは形を崩している。
頼りになる視覚と勘だけを信じ、ジャンヌはヒルの群れの体力を予測して焼夷弾をセットし直し、グレネードランチャーを構えた。
「これで最後よ!!」
撃ち放った銃弾がヒルの固まりに当たると大きな炎を噴き上げ、焼けた匂いを出す。
悶えるヒルを睨みながら、引き金に指をかけるジャンヌの額に汗が浮かび、流れた。
まだ動くのならば、引き金を引くしかない。
一瞬の動きも見逃さないと言わんばかりの眼光で睨む中、ヒルの固まりはボロボロと泥のように崩れ、跡形もなく消えたところで、ジャンヌは漸くグレネードを降ろした。
「はあ…… 」
緊張が解けたジャンヌが肩で息をすると、後ろから大きな音がした。
咄嗟に武器を構えるが何もない。
音からして、扉のロックが外れたようだ。
どのみち、彼女は先程のヒルを倒さなければならなかったらしいけれど、倒してしまえばこちらのものだ。
ジャンヌは障害がなくなった通路を走り、下の階を目指した。