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張り詰めた空気の中、ジャンヌが彼よりも先に口を開いた。
「ビリー・コーエン少尉……!?」
(やっぱりこの列車に潜んでいたのね……)
ジャンヌの言葉にビリーはぴくりと反応する。
「ほう……驚いたな。俺の事を知っているのか?」
銃口を向けられても怯まずにジャンヌは答える。
「死刑執行予定の第一級殺人犯……。それに元軍人……」
板に水を流すように喋るジャンヌを見据えて
「……ああ、成る程。あの時MPと話していた女か。一般人ではないと思っていたが……まさかお前も軍人だったとはな」
と、ビリーは装備した品々を見て冷静に言った。
「どうして俺の気配に気づいた時、銃を取らなかった?」
その問いにジャンヌも落ち着いた様子で
「ゾンビ相手ならそうしたけど、銃を構えてるのが分かったからやめたわ。化け物でないなら、下手に動いた瞬間に撃たれる。……そうでしょう?」
と冷静に返す。
ジャンヌの的確な分析を聞いてビリーは口元を上げた。
「流石だな。……だが今は軍人や警察とはお近づきになりたくないんでね」
ビリーのハンドガンが狙いをジャンヌから外されてズボンに仕舞われる。
「お喋りはこれで終わりにさせてもらうぜ」
そう言ってビリーはあっさりとジャンヌに背を向けた。
こちらにも武器はあるのに、余裕があるのかジャンヌを小馬鹿にしているのか……。
どちらにしても、ビリーのこの行動は彼女に喧嘩を売っていると言っても過言ではない。
「待ちなさい!!あなたを連行するわ!!」
角を曲がった先でジャンヌが叫ぶが、ビリーは変わらぬ口調で
「悪いがお嬢さん、飾りは間に合ってる」
と、はめられたままの手錠を意地悪く見せびらかしてまた歩き出した。
もはやジャンヌは相手にされていないらしい。