初めての冒険
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「ここが……デクの樹サマの中……?」
体内に入った彼らが見たのは酷い光景だった。
あちこちに張られたクモの巣や枯れた草。
それどころか、モンスターの姿も見受けられる。
「酷い……」
「……ルナ、つらいけど悲しがっててもしょうがないヨ!早く呪いの源を倒さなきゃ!」
「ナビィの言う通りだ。まずは進もう」
ルナの手を引いてリンクは歩き出す。
すると突然ナビィが黄色く光って警告した。
「危ないリンク!デクババがいるわ!」
しかしさっきリンクが倒したデクババとは様子がかなり違う。
狙いを彼らに定め、カタカタと歯を鳴らして飛びかかる仕種をする。
「さっきのは枯れかけだったけど、これは……きっとデクの樹サマの力も吸ったのに違いないわ」
「アイツが……デクの樹サマを……!」
リンクが怒りに任せて剣を振り下ろす。
茎を斬られたデクババはあっさりと煙をまとって消えるも、あちこちに別のデクババが生えてくる。
「呪いの源はこれじゃないヨ。数は多いけど、これよりもっと大きなモンスターがデクの樹サマの生気を吸ってるに違いないわ」
「じゃあ他を探すしか……きゃっ!」
突然ルナが悲鳴を挙げて尻餅をついた。
「大丈夫っ?」
「う、うん……。急に足元が……」
ルナの言う足元を見ると、乾いた土ではなく大きく張られたクモの巣を踏んでいた。
「リンク見て!この下にも部屋があるよ!」
ルナがクモの巣の隙間から見える空間を見つけて言うと、ナビィも続いて
「……ナビィ感じる。下から強い邪気が放たれてる……」
と、声を震わせる。
どうやらこの下に、呪いの元であるモンスターがいるようだ。
この巣を破ろうとリンクがコキリの剣を使うが、頑丈な巣は伸びるだけで全く切れそうにない。
「ダメだ……。全然切れないよ……」
「切れないなら燃やすしかないかな?上に行けるみたいだから、ちょっと登ってみようヨ」
もしかしたら火種があるかもとナビィの助言を受け、リンク達は上の階へと進む。
「扉だ……」
「モンスターがいるかもしれないから気をつけてネ」
ナビィに促されながら、リンクは緊張した面持ちで扉を開いた。
すると、入った直後に扉に鉄格子が降りて3人は閉じ込められてしまった。
「そんな……扉が……!」
2人がかりで格子を外そうとするが、子供の力ではびくともしない。
すると部屋の中にリンク達以外の声がした。
「ウピピッ!残念だっピ!お前達はここでオイラに負けるんだっピ!」
部屋の中央の草が喋っていた。
草のモンスター、デクナッツだ。
「喰らうっピ!」
不意打ちにデクナッツは種をリンク達に向かって放つ。
「2人共避けて!」
「うわわっ!」
慌てて回避して空を切る種は、壁に当たるとバリンと乾いた音を立てて砕けた。
「うえ~……、当たったら痛そう~……」
「次は当ててやるっピ!」
デクナッツは間髪入れずに種を出し続ける。
ルナは上手に逃げ回り、リンクは盾で受けながら攻撃のタイミングを伺った。
「リンク!デクナッツは近づくと地面に潜る習性を持つモンスターよ!盾で攻撃を跳ね返して!」
「盾で……?よーし……!」
丁度リンクに向かって攻撃が放たれたところだ。
デクの盾に当たった種は跳ね返っ命中すると、あまりの痛さにデクナッツは完全に地面から飛び出してしまった。
「いっ……痛いっピ~ッ!」
「捕まえたぁーっ!」
そのデクナッツに両手でつかみかかったのはルナ。
意外と豪快な事をやってのけてしまう少女だった事が発覚した瞬間である。
「私達をこの部屋から出しなさいっ!」
「わ、分かったから放すっピ~!うう~、悔しいっピ~……」
観念したデクナッツは鉄格子を外すと
「もうオイラに用はないっピ!?なら早く放すっピ!」
と、ルナの手を擦り抜けてどこかへ消えてしまった。
「喋るモンスターもいるんだ……」
「すごく珍しいけどネ。さあ!奥へ進みましょう!」
ナビィに促され、リンクとルナは扉を抜けた。