外の世界での出会い
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ルナには久しぶりの、リンクには初めての広大な風景が広がった。
地平線まで伸びる芝生の道と、流れる川のせせらぎ。
隔てる物がない為、気持ちがいい程に吹き抜ける風。
初めて覚える五感に、リンクは瞳をキラキラと輝かせた。
「すっ……げ~っ!!こんなに広い所、初めて見たよ!!」
足元に咲く花すらも初めて目にする種類だし、感じる匂いも聞こえる音も何もかもが初めて。
「リンク。まずは城下町に行こう」
「城下町?」
「うん。お姫様に会うには、城下町を目指さなきゃ!それに私の家もあるんだ!」
「わ~!ナビィ、ルナの家見てみたい!」
空に溶け込みそうな青い体を弾ませて喜ぶナビィと同じように
「ルナ!ここからどのぐらいかかるのっ!?」
と、うきうきした様子でリンクも彼女の腕を引いた。
「まだまだかかるよ。今からだと、お昼頃に着くかな~。この道を辿れば見えてくるよ」
ルナが指差す道の先は丘の向こうでまだ何も見えない。
その先に広がる景色を想像するだけで、リンクの胸は熱く高鳴った。
途中に何回か休憩を挟んで丘を越えると、更に広大な景色が広がった。
遠くに見える高い壁と川に架かる橋の奥には、立派な建物の一部も見える。
「あれがハイラルの城下町!もう一息だよ!」
「やっと見えた……!」
見上げた空には東の空にあった太陽が、もうてっぺんにまで移動していた。
リンクが太陽の眩しさに目を細めると、リンクのお腹がぐぅ~……と大きく鳴る。
「うぅ~……。そういえば何も食べないで森を出たから、もうお腹がぺこぺこだぁ~……」
「私の家に着いたらご飯あるから、それまで頑張ろ!」
「リンク、もう一息だヨ!」
ルナ達に励まされ、笑いながらリンクは彼女に続いて平原を駆け出した。
小さく見えていた建物が、もう大きく見える程に迫っていた。
見上げる程の立派な跳ね橋の前で、リンク達は一旦足を止める。
「ここがハイラルの城下町の入口だよ。町に入るにはここからじゃないとダメなんだ」
「大きい~!ナビィ、こんなに大きい門を見るの初めて!」
はしゃぐルナとナビィの後ろでは、リンクがぼうっと門を見つめていた。
けれど、珍しい物を見るような眼差しではない。
(……何だろう……。俺……この場所を見た事がある……)
今日初めて森を出たはずの自分が、何故この場所を知っているのだろうか。
止まない疑問の嵐に、ルナの声がストップをかける。
「リンクー。早く来ないと置いてっちゃうよ〜!」
「あっ、今行くよルナ、ナビィ!」
疑問は一旦置いておいて、リンクは彼女達の所へと駆け出した。
入り口からでも分かる町の活気や賑わいに、いつしかリンクの顔も興味や感動で綻んでいた。