第5話~雨の再会、涙の離別~
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「そういえば、アグニ達の名前は本で見た事があるよ。アグニは火の神の名前で、太陽から生まれたとか色んな説があるんだったかな?ルドラは暴風雨の神様の名前で、別の地域では違う名前で伝えられているみたいだよ。でもやっぱり2人の事とは違うみたいだね。ケルベロスも若干本で見た情報と違うし、この世界の悪魔とは違うね」
「マヤは随分悪魔に詳しいな。でもマヤの世界に悪魔はいないんだろ?」
「勿論いないよ。ただ読書が好きで、神話とか天使や悪魔の話の本をよく見てたから……」
「へえ」
新たな力、そして仲間になったアグニとルドラと共に、ダンテとマヤは彼らが守護していた扉の先へと進んでいた。
真っ直ぐに伸びる階段と、中央から右手を曲がる道があり、右手の扉は瓦礫で塞がれてしまっている。
近くで見るが、扉に触れるのも難しい。
「これじゃあ通れないよ……」
「ああ。瓦礫全部どけてたら、骨が折れそうだしな。取り敢えずは行ける場所から行ってみようぜ」
踵を返す2人。
すると、目の高さにキラリとする光が見えた。
「何だあれ?」
「近くで見てみようよ」
戻って光の正体を確認してみると、どうやら銃のようだが普通の銃とは形が違う。
「あれは魔力を弾に変えて撃つ、レーザー弾みたいな銃だ。名前は確か……アルテミスだったかな」
「アルテミスか……。月の女神の名前の銃なんて素敵だね。……何とかして取れないかな?」
マヤがアルテミスを見つめながら台座に手を置くと、窪みの触感が手の平に広がった。
「何これ?窪みが2つあるよ?」
三角状になる窪みが3つあり、1つは宝石がはまっているが、残る2つの窪みは随分淋しげだ。
「もしかして、残り2つをはめれば何か起きるんじゃない?」
「らしいな。じゃあその2つの宝石を探しに行くか」
一本道の先は3つに分かれていた。
道が分かれる手前には白の、分かれた各道の前には青と赤と緑の腰ぐらいの高さの台がある。
「『試練を1つ統べるだけではまだまだ足りぬ。2つの試練を統べる者には新たな道を、全ての試練を統べる者には新たな力を授けよう』……か」
白の台座に刻まれた文字をダンテが読むと、マヤがアルテミスの台の状態を思い起こす。
「ダンテ、さっき台座にはまってた宝石って、緑だったよね?」
「緑だったな」
「じゃあ緑の台以外の道に行くと良さそうじゃない?」
「多分……な」
2人は3本道の前でそんなやり取りをして、マヤの予想に賛成すると、青と赤の台の道を進む事を決定した。