デスマウンテンの異変
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カカリコ村のシンボルである風車の背中から朝日が昇り、コッコ達が1日の始まりを告げる。
今日もハイラルは快晴、絶好の冒険日和である。
小さな勇者達は、炎の精霊石を求めてデスマウンテンに踏み込んでいた。
村を数歩離れただけで景色は一遍、土色の殺風景な風景に変わる。
草の1本も生えてなく、目にするのはせいぜい石や岩ぐらい。
結局フードの少年はあの後、リンク達と別れてしまった。
彼にもやる事があるんだと説得されて渋々別れたが、リンクは未だに不満げだ。
「男の子の友達があんまりいないから、仲良くしたかったのになぁ……」
「リンク、それはきっとあの子も一緒だヨ!だから私達は、私達のやらなきゃいけない事を頑張りましょ!」
「そうだよ!私も頑張るから!」
ナビィに、ルナにも励まされ、尖んがり口だったリンクにも笑顔が戻る。
「そう……だよな!早く精霊石を見つけないと!……でも精霊石はどこにあるんだろう?」
「インパさんの話だと、デスマウンテンに住むゴロン族が守ってるみたいな話だったけど……」
「呼んだゴロ?」
「ゴロン族?聞いた事ないや」
「私も見た事はないけど、岩を食べるから、体も岩みたいなんだって」
「そうゴロ」
「岩みたいな体か~。戦ったら強いんだろうな~」
「オラ達、戦いは嫌いゴロ」
「そうなんだ、ゴロン族は平和が好きなんだね…………っ!?」
会話の途中に加わっていた声がする方向を振り返れば、丸々な目をしたタマネギのような顔が寸前にあった。
「っきゃああぁあぁぁっ!?」
「そんなに驚かないでほしいゴロ~」
「ゴロ……って、もしかしてゴロン族!?」
「そうゴロ」
驚いて尻餅をつくルナを守るようにするリンクの問いに、ゴロン族はニコリと笑う。
改めて見れば確かに岩の背中を持つが、雰囲気は戦いを好まない温厚な表情をしている。
「お客なんて珍しいゴロ。良かったら、オラ達の集落に案内するゴロ」
足取りはトコトコだが、実際の音はズンズン。
体の重さが窺える。
「ところで何の用ゴロ?このデスマウンテンには、ドドンゴの洞窟とゴロンシティぐらいしかないゴロよ?」
「俺達、精霊石を探してるんだ」
「精霊石?どんな石ゴロ?」
「それは私達も知らないの。ゴロンさんも知らない?」
「…………」
「ゴロンさん?」
「精霊石……。一体どんな味をしてるのか気になるゴロ……」
「食べちゃダメーーーッ!!」
洞窟型の集落、ゴロンシティ。
1階から吹き抜けの造りで、壁にゴロンの絵が描かれた集落の中には岩に混じるゴロン族の姿があちこちに見られる。
しかし、みんなぐったりしてあまり元気がないようだ。
「お~、お帰りゴロ~」
「ただいまゴロ。今日はお客が来てるゴロ」
「でも今のオラ達じゃあ、おもてなしは出来ないゴロ」
「お、おもてなしなんて……!俺達は客じゃなくて……!」
「私達、精霊石を探しに来たんです!知ってるゴロンさんはいませんかっ?」
精霊石と聞いたゴロン達はざわつき始めるが、聞こえて来る声は
「精霊石?何だそれ?」
「初めて聞くゴロ」
「それって美味いゴロ?」
などの『知ってる』という部類ではなかった。
「だけど精霊石なんていう名前だから、きっと特別な石に違いないゴロ」
あるゴロンがそう言った時、別のゴロンがビクッと体を跳ねさせる。
そして汗を垂らしながら口を開いた。
「も……もしかしたらオラ……知ってるかもしれない、ゴロ……」
「本当っ!?どこにあるの!?」
「わわっ!!ち、違うゴロ!!ある場所は知らないゴロ!!ただ、このゴロンシティを照らしていた、赤い石の事かもしれないってだけで……!!」
赤い石。
勘でだが、それが精霊石だと思った。
「あそこの台が見えるゴロ?赤い石はあの窪みにあったゴロ」
ゴロンが指差す方向には、回りの壁から吊された台と獣の足型に似たような窪み。
しかしそこに石はない。
「オラ、もう腹が減って腹が減って……。それで、舐めるぐらいならいいかな~って、ちょっと舐めようと見に来たら……赤い石はもうなかったゴロ」
(舐められなくて良かった……)
不謹慎にもそう思ってしまったルナは気を取り直して「最後に見たのは?」と尋ねた。
「オラ達は知らないゴロ。でもきっと族長なら何か……」
「族長?」
「オラ達ゴロン族の長、ダルニアの事ゴロ。でも今は最下層の部屋で王家の使いを待つとか言って、ず〜っと閉じこもってるゴロ」
ゴロン達の話を聞いたリンクは、話を聞いた上で結論を出した。
「ダルニアさんに会いに行こう!」
王家……ゼルダの使いである自分達なら、きっと彼も精霊石の事を教えてくれるに違いない。
ゴロン族に頼んで族長ダルニアの場所まで案内してもらうが、入り口は厚い石の扉で閉ざされてしまっていた。
繰り返し扉を叩いて呼ぶが、返事も扉が開く様子もない。
代わりにではないが、中から
「だああああっ!!クソッ、イライラするゴロッ!!」
と不満の篭った男の声がした。
「ひゃ~!今日もアニキの機嫌は最悪ゴロ~!ああなったアニキの機嫌を直すには、音楽以外にないゴロ~!」
「音楽?」
王家の使いと音楽。
この2つから連想されたのは、姫の乳母から伝えられたメロディー。
『王家に関わる者の証となるだろう』
ふかふかの絨毯の上に立つリンクがオカリナを構え、王家の証の歌───ゼルダの子守歌を奏でる。
すると頑なに閉ざされていた扉がスライドし、彼らを迎え入れた。
早速ダルニアに話をしようと、揚々と部屋に入るルナ達だったが、事態はそう甘くはなかった。
今日もハイラルは快晴、絶好の冒険日和である。
小さな勇者達は、炎の精霊石を求めてデスマウンテンに踏み込んでいた。
村を数歩離れただけで景色は一遍、土色の殺風景な風景に変わる。
草の1本も生えてなく、目にするのはせいぜい石や岩ぐらい。
結局フードの少年はあの後、リンク達と別れてしまった。
彼にもやる事があるんだと説得されて渋々別れたが、リンクは未だに不満げだ。
「男の子の友達があんまりいないから、仲良くしたかったのになぁ……」
「リンク、それはきっとあの子も一緒だヨ!だから私達は、私達のやらなきゃいけない事を頑張りましょ!」
「そうだよ!私も頑張るから!」
ナビィに、ルナにも励まされ、尖んがり口だったリンクにも笑顔が戻る。
「そう……だよな!早く精霊石を見つけないと!……でも精霊石はどこにあるんだろう?」
「インパさんの話だと、デスマウンテンに住むゴロン族が守ってるみたいな話だったけど……」
「呼んだゴロ?」
「ゴロン族?聞いた事ないや」
「私も見た事はないけど、岩を食べるから、体も岩みたいなんだって」
「そうゴロ」
「岩みたいな体か~。戦ったら強いんだろうな~」
「オラ達、戦いは嫌いゴロ」
「そうなんだ、ゴロン族は平和が好きなんだね…………っ!?」
会話の途中に加わっていた声がする方向を振り返れば、丸々な目をしたタマネギのような顔が寸前にあった。
「っきゃああぁあぁぁっ!?」
「そんなに驚かないでほしいゴロ~」
「ゴロ……って、もしかしてゴロン族!?」
「そうゴロ」
驚いて尻餅をつくルナを守るようにするリンクの問いに、ゴロン族はニコリと笑う。
改めて見れば確かに岩の背中を持つが、雰囲気は戦いを好まない温厚な表情をしている。
「お客なんて珍しいゴロ。良かったら、オラ達の集落に案内するゴロ」
足取りはトコトコだが、実際の音はズンズン。
体の重さが窺える。
「ところで何の用ゴロ?このデスマウンテンには、ドドンゴの洞窟とゴロンシティぐらいしかないゴロよ?」
「俺達、精霊石を探してるんだ」
「精霊石?どんな石ゴロ?」
「それは私達も知らないの。ゴロンさんも知らない?」
「…………」
「ゴロンさん?」
「精霊石……。一体どんな味をしてるのか気になるゴロ……」
「食べちゃダメーーーッ!!」
洞窟型の集落、ゴロンシティ。
1階から吹き抜けの造りで、壁にゴロンの絵が描かれた集落の中には岩に混じるゴロン族の姿があちこちに見られる。
しかし、みんなぐったりしてあまり元気がないようだ。
「お~、お帰りゴロ~」
「ただいまゴロ。今日はお客が来てるゴロ」
「でも今のオラ達じゃあ、おもてなしは出来ないゴロ」
「お、おもてなしなんて……!俺達は客じゃなくて……!」
「私達、精霊石を探しに来たんです!知ってるゴロンさんはいませんかっ?」
精霊石と聞いたゴロン達はざわつき始めるが、聞こえて来る声は
「精霊石?何だそれ?」
「初めて聞くゴロ」
「それって美味いゴロ?」
などの『知ってる』という部類ではなかった。
「だけど精霊石なんていう名前だから、きっと特別な石に違いないゴロ」
あるゴロンがそう言った時、別のゴロンがビクッと体を跳ねさせる。
そして汗を垂らしながら口を開いた。
「も……もしかしたらオラ……知ってるかもしれない、ゴロ……」
「本当っ!?どこにあるの!?」
「わわっ!!ち、違うゴロ!!ある場所は知らないゴロ!!ただ、このゴロンシティを照らしていた、赤い石の事かもしれないってだけで……!!」
赤い石。
勘でだが、それが精霊石だと思った。
「あそこの台が見えるゴロ?赤い石はあの窪みにあったゴロ」
ゴロンが指差す方向には、回りの壁から吊された台と獣の足型に似たような窪み。
しかしそこに石はない。
「オラ、もう腹が減って腹が減って……。それで、舐めるぐらいならいいかな~って、ちょっと舐めようと見に来たら……赤い石はもうなかったゴロ」
(舐められなくて良かった……)
不謹慎にもそう思ってしまったルナは気を取り直して「最後に見たのは?」と尋ねた。
「オラ達は知らないゴロ。でもきっと族長なら何か……」
「族長?」
「オラ達ゴロン族の長、ダルニアの事ゴロ。でも今は最下層の部屋で王家の使いを待つとか言って、ず〜っと閉じこもってるゴロ」
ゴロン達の話を聞いたリンクは、話を聞いた上で結論を出した。
「ダルニアさんに会いに行こう!」
王家……ゼルダの使いである自分達なら、きっと彼も精霊石の事を教えてくれるに違いない。
ゴロン族に頼んで族長ダルニアの場所まで案内してもらうが、入り口は厚い石の扉で閉ざされてしまっていた。
繰り返し扉を叩いて呼ぶが、返事も扉が開く様子もない。
代わりにではないが、中から
「だああああっ!!クソッ、イライラするゴロッ!!」
と不満の篭った男の声がした。
「ひゃ~!今日もアニキの機嫌は最悪ゴロ~!ああなったアニキの機嫌を直すには、音楽以外にないゴロ~!」
「音楽?」
王家の使いと音楽。
この2つから連想されたのは、姫の乳母から伝えられたメロディー。
『王家に関わる者の証となるだろう』
ふかふかの絨毯の上に立つリンクがオカリナを構え、王家の証の歌───ゼルダの子守歌を奏でる。
すると頑なに閉ざされていた扉がスライドし、彼らを迎え入れた。
早速ダルニアに話をしようと、揚々と部屋に入るルナ達だったが、事態はそう甘くはなかった。