古代竜の洞窟
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ドドンゴの洞窟。
そこはゴロン達にとって、生きるのに欠かせない場所の1つ。
ここの岩は栄養満点で、ゴロン族を他の岩が食べられない程のグルメにしたぐらいだ。
しかし洞窟はガノンドロフによって未曾有の危機に陥っていたが、その危機からゴロン族を救うべく、リンクとルナ、そしてダルニアがついに足を踏み入れる。
「熱い……!」
「みんな、足元に気をつけて。溶岩が広がってるわ」
「落ちたら一たまりもないゴロ。ボーズも足場がある場所まで、俺が担いでやるゴロ」
同行するゴロンの族長ダルニアの肩に乗せられ、リンクとルナは洞窟を進んで行く。
「そうだ。ルナにお願いがあるんだ」
そう言ったリンクが差し出したのはデクの盾。
「流石に盾を2つ装備は出来ないから、ルナが持ってて」
「うん。ポーチに仕舞っておくね」
またしても物質の常識を覆すように、魔法のポーチが本領発揮。
何にせよ、これで荷物は軽くなる。
と、そこでダルニアが声を上げた。
「この壁っ……!」
「ダルニアさん、どうしたの?」
ルナの問いに、無言で壁にパンチする形で答えるダルニア。
いきなりどうしたんだと驚倒して絶句していると、彼は壁から岩を抜き出してバクリと頬張った。
「ウオ~ッ!!やっぱりドドンゴの洞窟の岩は絶品だゴロ~ッ!!ボーズ達も食うかっ!?」
「あ……結構デス」
強張ってリンクが答える。
しかし彼もほぼ絶食状態だっただろうに、それを今まで見せていなかったのが立派だと思う。
「ダルニアさん、今のうちにしっかり腹ごしらえしてね」
「悪ィな!すぐ済ませ…………うおおおおおっ!!あ、あれはまさかっ……!?」
叫ぶなりいきなり走り出すダルニアの重みで、近くが軽く揺れた。
「ど、どうしたの!?」
「信じられねぇ……!!こんな場所に特上ロース岩がぁっ!!」
「……特上……」
「ロース……岩……?」
神々しいものを見るように叫ぶダルニアの目が眩しい。
しかしロースというのは、普通なら牛や豚の肉に対する言葉で、柔らかく適度な脂肪がついているのを表現するのだが……。
(岩に脂肪があるの……?)
ダルニアに尋ねても実際に食べられないので、説明をされても理解は難しそうだ。
とにかくゴロン族にとってとても美味しい岩なんだと要約すると、ダルニアは特上ロース岩を手に歩き出す。
「おっ、そうだ、オメエ達に先に言っとくゴロ。ドドンゴってモンスターには気を付けろよ。奴らは倒れた後に爆発するからな」
「ぅええぇっ!?爆発!?」
「ボーズ、オメエは剣を使うんだろ?どうしても接近戦になるから注意しな」
「分かったけどさぁ……俺の名前、リンクっていうんだけど」
「まだボーズで充分だゴロ」
「ちぇー」
またしても子供扱いされたのが悔しい。
すると、不意にリンクの体が地面に降ろされた。
「オトコになりてえんだろ?出番だぜ」
「!」
行く手はゴツゴツした一本道。
姿はないが、敵の気配はある。
「……ダルニアさん、ルナをお願いします」
「おう」
ダルニアは余裕の表情で特上ロース岩を齧り、リンクは剣を抜いて走り出すと、その敵は現れた。
もきゅもきゅと小さな姿で。
「か……可愛い~っ!!」
ルナの場違い発言にリンクも、彼女を抱えるダルニアもコケる。
「小さくて可愛い~!ダルニアさん、あれ何っ?」
地中からモコモコと出てきた緑の小さなモンスターはベビードドンゴ。
数体が同時に現れ、必死にこちらに近づいて来る。
「ボーズ!そのベビードドンゴも倒したら爆発するゴロ!攻撃の後はすぐ地中に潜るから、ヤツらの攻撃はやり過ごせ!」
「や、やり過ごせ!?」
リンクが言うや否や、ベビードドンゴ達が一斉に飛びかかって来た。
「うわわわわっ!?」
「リンク!盾で防いで!」
「そ、そうか!!ハイリアの盾……でえっ!?」
鉄製、しかも大人の兵士が使う盾は子供のリンクには重くて、片腕に装備出来なかった。
「お、重ッ……!!」
「リンク!!上!!」
「!」
目と鼻の先に迫るモンスター。
リンクが唯一取れた行動は……。
『ピギャオーーーッ!!』
ベビードドンゴの群れが一斉にリンクを押し潰した。
上がる砂埃のせいで、彼の安否が分からない。
「リ……リンクーーーッ!!」
ルナとナビィが叫ぶ。
すると───……。
「だ、大丈夫……」
「!!」
晴れた景色の中にあったのは地面に落ちていたハイリアの盾。
「……?」
盾が動くと、ひょっこりリンクが下から顔を出した。
「ビックリしたぁ~……」
ハイリアの盾を構えるのでなく、背負ったままの状態で俯せになる事で体当たりを防いだのだ。
「ハッハッハ!!やるなボーズ!!」
ダルニアは笑い、残り一口になった特上ロース岩を飲み込んだ。
「だが……この奥は一筋縄ではいかないぜ」
「奥?」
埃を払って立ち上がるリンクが見るが、特に何もない。
「この先の部屋……中級のモンスターがいるはずだゴロ」
ダルニアの言葉に2人はゴクリと固唾を呑む。
「気ィ緩めんなよ。……ルナ、自分で歩けるか?」
「あ……う、うん!」
恐らく、ルナを担いだままでは却って危険なんだと察し、ルナは初めて自分の足で洞窟の土を踏んだ。
「よぅし、乗り込むゴロ!!」