第4話〜炎風の双剣アグニとルドラ〜
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疾風の如くテメンニグルを駆け抜けるダンテ。
背負われたマヤはギュッと目をつぶって目的地への到着を待つ。
『バタン!!』
大きな扉の音がすると、はためいていた自身の黒髪が肩に降りた。
「……?着い……た?」
ゆっくり目を開けると、マヤは素っ頓狂な声を挙上げる。
目の前にあったのは、あのギガピードと戦った回廊の扉だったから。
「ま、まさかダンテ!?本当にギガピードの巣に行くの!?」
「……はあ?何面白い冗談言ってるんだよ」
「だ、だって他に行ける場所は……」
するとダンテはマヤを下ろさず、回廊に続く扉に背を向けた。
そして前になったのは、階段が崩れてしまい、悪魔の群れのど真ん中に引きずり落とす奈落のみ。
「ここ嫌いだなぁ。狭いしヘル=ラストにスロースにレイスだし……」
ぶつぶつ愚痴を零すと、不意にダンテが歩を進めた。
―――奈落に向かって。
「えぇっ!?ダ、ダンテ!?そっちは落ち……!?」
真っ逆さまに落ちる、とマヤはダンテに強くしがみつき、目をつぶった。
ところが、落ちる感覚は微塵もない。
寧ろブーツの足音がテンポよく聞こえる。
「マヤ、さっき手に入れたアイテムがあっただろ?あれは荒ぶる鋼の魂ってので、持ち主は奈落に落ちる事はないんだってさ」
「……という事は……」
「見ての通り、俺達は空中散歩を楽しんでるって事さ」
ハッと目を開いて状態を確認するマヤが見たのは、文字通り空中散歩をしているダンテの姿。
ないはずの足場は、水面のように波紋を広げている。
「わっ!?すごい!!」
「おっと。降りようとするなよ。マヤだけで降りたら、さっきのイベント会場に行く事になるぜ」
「そ、そんなのやだぁ!!」
「だろ?だからしっかり捕まってろよ」
「は、はいっ!!」
一層腕の力を強める。
本当はマヤが降りても大丈夫なのに、つい意地悪をするダンテだったが、悪びれる事なく無事に奈落を渡りきった。
「はい、到着っと」
「わ~。怖かった~」
久しぶりに自分の足が床につくが
「でも……」
と、マヤが壁に向いて言った。
「行き止まりだよ?」
「大丈夫。この壁の窪みにこれを入れれば……」
自分達を奈落に落とさずに運んでくれた荒ぶる鋼の魂を壁にはめ込むと、壁の表面がスライドして扉が現れた。
「わっ!すごい!」
「……良かった。正解だったか」
「え?」
「いいや、何でもない」
推測で言った事がその通りになって安堵するダンテの飄々とした様子に、マヤは首を傾げつつも続いて歩いた。