第8話~女狩人レディ~
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「―――それでダンテ、今はどこを目指してるの?」
「礼典室だ。バージルはそこで封印を解くに違いないからな」
「礼典室までの道のりなら、私も少し知ってるよ。バージルに連れられて、その近くまで行ったから」
「本当か?でも仕掛けが面倒じゃなかったか?」
「バージルに付き添ってた、アーカムって人が仕掛けを解いておいたから、私とバージルは平気だったよ」
「だったら仕掛けを戻すなよな……」
愚痴るダンテの背中をマヤが押してやり、励ました。
「一緒に頑張ろ、ダンテ!私も出来るだけ頑張るからさ!」
「……ああ。じゃあまずは……」
ダンテがおもむろに傍にある像に、先程手に入れた石仮面を付けると辺りに震動が走った。
「わわっ!?」
突然の揺れにマヤは尻餅をついてしまう。
「大丈夫か?」
「う、うん……。大丈夫……」
手を引かれて立ち上がるマヤが振り返ると、目を丸くして感嘆の声を上げた。
「すっ……ごーい!!湖に橋が架かったーっ!!」
「行くぜ。湖の真ん中に何かある」
歩き出すダンテに続くマヤも湖を見遣れば、大きな像の下に台があり、更にその上に白く光るボールのような物が乗っている。
じっと覗き込むと、同じ顔の自分が映る。
「アグニとルドラは、これが何か知ってる?」
「うむ。それは永劫機関じゃ」
「ここに来た時、掛け橋があったじゃろう?それを動かす物だ」
「じゃあ、来た道を戻らなきゃいけないね。……あ」
「ん?」
「……って事は、またアルケニーがいるかもしれないんだ……」
あのおぞましい蜘蛛の姿をした悪魔を思い出してげんなりする。
前はバージルが瞬殺してくれたから良かったものの、酷く気が重い。
「安心しろ。今度は我ら兄弟もいる」
「そしてダンテもな」
「ああ。マヤはサポートを頼むぜ」
背中から、そして横からの励ましに、マヤは笑顔になる。
「……うん!ありがとう!」
心配を振り払い、扉へと駆けるダンテとマヤ。
その2人の足が、扉の向こう……円刃通路で止められた。
「檻が……!!」
突然塞がれた通路。
ダンテが檻を揺さ振るが、びくともしない。
「どうしよう……」
「大丈夫だって。ここには閉じ込めるだけの罠はない」
「え?」
「要するに―――……」
『ヴォン……』
背後からする謎の音に振り向くと、赤い宝石がぷかりと浮かんでいて、空間から突如現れた鎧などを纏った。
「首のない鎧の悪魔って……もしかしてデュラハン!?」
「ビンゴだ。アイツを倒せば道は開ける」
魔界とを繋ぐ物騒な塔なんだから、悪魔が現れて当然だろうとダンテが言うとマヤが唸る。
「そうだけど……簡単に倒せそうにないよー!」
通路は狭い上に、両サイドには回転する円刃。
下手な行動は危険だ。
「確かにマヤの言う通りだな。コイツには銃も正面からの攻撃も効かないんだよな」
「えぇっ!?じゃあどうするの!?」
「落ち着けって。つまりは後ろからの攻撃には弱いって事だ」
「後ろ?」
デュラハンの背中には、黒くはためくマントと赤い宝石が。
「……そっか。あの宝石が本体なんだね」
「物分かりがいいな。流石はマヤだぜ。ジャンプで飛び越えたところを攻撃してやろうぜ」
「で、でもデュラハンは宙に浮いてるし、私には飛び越えるなんて……」
しかし、相談している時間をデュラハンは与えてはくれない。
回転する刃の付いた獅子の盾で2人に迫る。
駆け出すダンテはひらりとデュラハンを正面から飛び越すと兜割りで宝石を砕いた。
「す、すごぉい……」
「マヤ、我らも行くぞ」
「あの高さなぞ、越えるのもたやすい」
「いやいや!普通に盾に当たって斬られて終わるよ!」
「大丈夫じゃ。我と兄者を信じろ。我らに心を伝えるのじゃ」
「心を……」
瞼を降ろすマヤ。
両手に握る剣に意識を集中させると、頭にイメージが流れ込んで来る。
「……よし!!」
伝わったイメージを信じてデュラハンに向かうマヤが勢い良くジャンプした。
ただの人間でも、アグニ達の力で跳躍力も上がっていたので高さは人並み以上。
しかしデュラハンを飛び越す程の高度はまだない。
するとマヤの足元にオレンジ色の魔法陣が現れ、新たな足場を構成する。
この二段ジャンプ、エアハイクで空中を飛ぶマヤの顔は感動に満ちていた。
―――が、ただ飛び越して終わってしまった。
「あ」
攻撃し忘れたと振り返るが、既にダンテがケルベロスでデュラハンを倒していた。
「ジャンプ力は10点満点。でも攻撃は得点なしだな」
「うぅ~。うっかりしちゃった~」
「ハハ。でも頑張ったから努力賞だな」
頭を撫でてやるダンテが開いた檻を抜けて先へ進んだ。
だがマヤからは見えないからか、彼は顔を険しくする。
(っ……何だ?この嫌な感じは……)
それが双子故のシンクロなのを、ダンテは気づけないままだった。