1章 人形使者は笑えない
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小さな砂のような願いだった。
でも、小さくても確かな。強い願いだった。
砂がわたしを形作り、世界がわたしに力を、使命を与えた。
精霊様はわたしに言った。
「世界の平和の為に、勇者様をお守りなさい」
嗚呼、ごめんなさい精霊様。
悪い子になったわたしはあの方の幸せだけを、願ってしまうのです。
《龍刻の使者の恩返し》
四聖の勇者。
世界の崩壊を止める為に異世界から召喚される、伝説の武器を持った人間。
そしてわたしは龍刻の使者。意思を持った人形。
わたしの使命はその勇者を補佐する事、護る事、導く事。そして、アレを使う事無く世界を平和にする術を探す事。
目的の確認完了。体の構築完了。
異常無し。
降臨座標は勇者が召喚された国、メルロマルク。城下町の教会内、龍刻の砂時計より降臨予定。
…………。
座標指定完了。
降臨、開始。