理由を問い掛けた
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「えぇ!? なんでまた死体があるんです!? どどどどうしましょう最原クン...!」
「...いや、それにしては死体発見アナウンスが流れてないよ。たぶん生きてる...んじゃないかな」
数人の足音が近付いてくる。
私は重たいまぶたをゆっくりと開けて、埃っぽい床をしばし眺めた。
そうだ、もう家じゃないんだった。
ぼやけた視界に、黒い靴が飛び込んでくる。
そこでハッと意識が目覚めて、辺りを見回した。
声で気付いたのか、一緒に眠っていた3人が覚醒の兆しを見せる。
「わっ、動きましたよ!?」
「うわあああああん!!! 酷いよキーボ! コロシアイなんてもうやめようって言ったじゃないか! キーボのバカ! スクラップになっちゃえ!」
「なんてこと言うんですか! それにほら、あの人たち生きてますよ!」
そうだ、私が一番最初に起きたから、私がお姉ちゃんになるんだ。
ふふ、次はルトラで、その次が琴都、そして宣言通りに一番最後に起きた合歓。
そんなことを考えていると、天井から落下してきたような、床下から飛び出してきたような、うまく認識できない動きでモノクマが現れた。
「やあやあ! 僕から紹介するよ!」
モノクマは、私たちの前に立ち直すと、背中を向けた。
まずは、私の方へ手を向けて。
「この子は譜字平 紗如」
そう紹介した。
そして、それぞれに手を向けて、名前を挙げていくだけの淡々とした紹介を済ませたのだった。
「この子達は何者なんだ?」
「うぷぷぷ...まあそう焦らないでってば。この子たちは言わば、ボクの子供のような存在なんだよ」
「それってモノクマーズとは違うのか...? アイツらのことも子供とか言っていたよな」
「えっ? そんなこと言ったっけ?」
そんな風にとぼけながら、目の前に居た3人、最原終一と王馬小吉とキーボに向かって説明していた。
私たちがモノクマの子供であること、一度死んでいるが生き返ったこと、ピアノ修理のために楽器職人として育てられたこと。
それらを説明している中で、私は自分に与えられた設定をじっくり確認していた。
説明が終わると、彼らが呼び止めるのも無視して、モノクマは早々に去って行ってしまった。
「あっ...」
残された気まずさに声が漏れる。
最原終一が、声を掛けようと近付いてくるのがわかる。
どうしよう。喋ればボロが出てしまいそうだ。
「ねえ...」
最原終一が声を発した瞬間。
私は合歓に腕を引っ張られて、前のめりにバランスを崩した。
それをルトラが支えてくれて、素早く教室の外へ誘導されていく。
「あ、ありがとう、2人とも」
「あぁ。早く修理に向かわないとな。父さんうるせーもんな?」
「あっ...うん、お父さんに怒られちゃうもんね」
合歓の助け舟によって、私は設定に相応しい話し方をすることができた。
振り返ることはできないが、背後には最原終一たちが私たちを呼び止めようとしているのが分かる。
それをかわすように、私たち4人はさっと廊下に出た。