波と踊れ
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私は普通の人間。謎の光に石化させられ、目が覚めたら──コナンの犯人になっていた!! 石化からの復活の際、肌全体にヒビが入った挙句頭髪を失ってしまったのだ。そんな愉快な姿の私をも美女と言ってくれた七海龍水を好きになってしまい、船造りや復興で忙しくてそれどころじゃないのに、彼を想うと心臓が爆走回転寿司!
見た目は犯人、中身は乙女。その名は祭林ズンド子!
⚓︎ ⚓︎ ⚓︎
私は、スイカと仲良しの犬チョークをあらーかわいいねーよーしよしよしと撫でまくり触りまくり遊びまくり転げ回っていた。ふと我に返ると私一人でうふふあははと笑い転がっており、チョークはというと遠くの方でちょうちょを追いかけている。
「よー、何やってんだ?」
軽い雰囲気の声と共にガニ股で歩いてきたのは警察官だったという陽くん──唯一私の姿を爆笑した男だ。すぐにニッキーがボコボコにしていたが、笑った原因は私がコナンごっこをしていた所に出くわした為であることを心優しい彼女には言えないでいる。
陽くんは怪訝そうにしているが若干ニヤけを隠せていない。うふふあははと誤魔化しておいた。無駄に転げ回り汚れたのと少し蒸し暑かったのもあり、水浴びでもしようと復活初日に立ち寄った川に向かった。
服を死ぬほど叩いて土埃を落とし木の枝に掛け、靴を脱ぎ綺麗な川にざぶざぶざぶざぶざぶざぶざぶざぶと足を踏み入れた。ひんやりとしていて緩やかな水流が心地良い。少し冷たすぎる気もするけれど、この蒸し暑い日には最適だ。
誰もいないのをいいことにウホウホシャバダバと軽く泳いでみたり浮いでみたりしているとガサガサパキパキ音がした。ウキウキ私の服に手をかけているそいつらの三対のまん丸な目が「なんやこの真っ黒くて毛のない猿は」とでも言いたげに瞬く。
「猿 ──ッ!!」
慌てて川から上がり服を引っ掴み、猿と取り合いになる。私の一張羅に何してくれるんだ! 絶対に負けられない!
「ウキーッ! キキッ!」
「ウキキッ!」
「ウッキウキ!」
「クソ ──ッ!」
三匹の猿に負け服も靴も持っていかれついでに頭もバチンと叩いていきやがった。ゆ、許せねえ……。
猿を追いかける気力はなく全裸でその場を右往左往。え? 裸で皆のところに戻らなくちゃな感じ? ていうか取られた服だって取り戻さないといけなくない?
「どうしよう……誰か通ってくれれば着替えをお願いして……いや、そんな都合よく──」
「猿にやられたな。違うか?」
振り返れば、全裸の龍水くんが両手を腰に当てて威風堂々と立っていた。
「俺もだ」
はっはー! と豪快な笑い声と指を鳴らす音が響き渡った。
「ぎゃああああ!!」
「ん? 安心しろ、こちらからはほとんど見えん」
「こっちからはほとんど見えてるよ! やったー!」
手で顔を覆い指の隙間から、筋骨隆々の美しい肉体を凝視する。股間の辺りにだけ藪から伸びた葉がちょうどよく隠している。惜しい! 一方、彼の頭上の枝からは何かの蔓が無数に垂れ下がり、それが私の姿をうまく隠してくれているのだろう。ありがとう。
「ひとまずこれを身につけるか」
龍水くんは茂みに絡まる蔓に手を伸ばした。葉がたくさん付いていて、なるほど局部を隠すにはうってつけだ。しかしやけにデカくてカラフルな芋虫が1匹うぞうぞ這っていた。
「ヒッ! 無理無理!」
「緊急事態だ。仕方ないだろう」
葉っぱの塊を掴む前に龍水くんの手がビタア! と止まる。葉を鋭く見つめる様子は只事ではないことを示していた。私も彼に習って蔓の葉を目を凝らしてじっくり見てみると、表面に細かい棘がびっしりだった。こんなものを身に纏えば絶対にただでは済まない。
「フゥン、やむを得ん。行くぞズンド子!」
即座に龍水くんは、ぷりっと引き締まったお尻をこちらに向けて皆の拠点がある方角へ歩き出す。このまままっ裸で戻るしかないってこと? まごついていると龍水くんが足を止めて軽く振り返った。
「それとも1人ここで待っているか?」
千空くんたちが言っていた、野生のライオンが出た話がふと頭をよぎる。
「待って〰〰! 置いてかないでえ!」
半泣きで龍水くんを追いかけた。
全身ひび割れで真っ黒になったことをこれほど感謝した時はない。いや、初めて感謝した。乳首まで黒くてよかった。
全裸の男女が並んで会話をしながら足早に歩く姿は他人からしたらさぞなんかもうやばいだろう。頭が上手く働かない、会話の内容も頭に入ってこない。視界の端でぶらぶらしているものが気になってしょうがないのだ。そう、龍水くんのちんちんである。直視はしていない。しないようにしているが度々ぶらぶらと視線誘導してくるので厄介でしかない。気を抜けば笑顔で手を振り返してしまいそうだ。
娯楽がないストーンワールド、裸の男女、何も起きないわけがなく……茂みの中からドデカい猪が現れた。デカすぎんだろ……。
「ヒッ!」
「縄張りに入ってしまったようだな」
猪はブゴォー! と嘶き丸く見開いていた目を鋭く吊り上げた。
「走れ!」
龍水くんは短く叫び私の手を取り走り出した。駄目だ駄目だ! 龍水くんのぶらぶらが激しくちんちんしている! 見ちゃ駄目だ! 猪が追いかけてきててそれどころじゃないのに! ああああぶらぶらがブレイクダンスしているゥ!
「抱えるぞ!」
「わっ」
正面から抱き締めるように抱えられ厚い胸板が密着し、走る振動が激しく伝わる。やばい、心臓が鼻から出そう。
「貴様、木は登れるか?」
「登ろうとしたことすらないよ」
「少し待っていろ」
太い枝が横に向かって生えている木のそばで下ろされ、龍水くんはワシワシと木を登り出す。デカい猪は細めの木なんかは薙ぎ倒す勢いの突進ですぐ側まで迫っていて、私ももうすぐ薙ぎ倒されて吹っ飛ばされる。さよなら。
「来いズンド子!」
木の上から伸ばされた手を迷うことなく掴む。青く見えるヒビの入った手は私の手を力強く握り、一気に引き上げた。ファイト一発! 汗が浮かぶ肌が眩しくてくらくらする。
猪はしばらく木の周りをうろついていたが、私たちが一向に降りてこないことを確認すると足下の匂いを嗅ぎながら元来た方へ戻っていった。どっと力が抜けたのは龍水くんも同じようで、木の幹に背中を預けて息を深く吐いている。
「見ろ、ズンド子」
示された方向に顔を向けると、木々の隙間から沈み始めた太陽が覗いていた。
「美しいな」
「うん……」
「貴様もだ」
「うん……えっ!?」
急に矛先をこちらに向けられ戸惑う。不意打ちはやめてくれ龍水くん。その技は私に効く。やめてくれ。
良い感じの雰囲気で寄り添って夕陽を眺める中、木の葉が揺れて見覚えのある黄色い帽子が生えてきた。羽京くんだ。
「いたいたうわっ。良かった、ここにいたんだ2人とも」
え? 今うわって言った?
羽京くんは近くの枝に飛び乗って小脇に抱えていたものを見せてきた。私と龍水くんが身につけていた、猿に奪われた服たちだった。
「はっはー! でかしたぞ羽京!」
先に木から降りた龍水くんに丁寧にエスコートされ私も降りる。べ、別にそこまでしなくても……ウヒヒ!
「服泥棒猿三人衆が君たちの服も持ち歩いていてね、スイカが交渉して取り戻してくれたんだよ」
「ありがとう、ありがとう羽京くん! いないけどスイカもありがとう!」
「無事ならいいんだ」
服と靴を受け取り何度も礼を伝えると、穏やかな容貌の彼は少し気まずそうに顔を逸らして帽子の鍔を引き下げた。
「? ……ハッ!」
そうだ、服がここにあるってことは、私が今すっぽんぽん全裸カーニバルの証明ッ! 今更恥ずかしくなってきて、自分の体を服ごと抱きしめるようにして隠して俯く。
「なんだズンド子貴様、羽京には恥じらうのか」
すぐそばで声がして固まる。龍水くんがほんの少しだけ不満そうな眼差しで私を見つめていた。惜しげもなく晒されている逞しい首筋、盛り上がった胸筋、バッキバキの腹筋。
「んぎゃああああああ!!」
私は顔から火を出して服も靴も抱えたまま駆け出したがすぐにずっこけた。2人に助け起こされ、今度こそ龍水くんの股間を目の当たりしてしまいまた叫んでしまった。
トホホ、裸はもうこりごりだよぉ〜!
見た目は犯人、中身は乙女。その名は祭林ズンド子!
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私は、スイカと仲良しの犬チョークをあらーかわいいねーよーしよしよしと撫でまくり触りまくり遊びまくり転げ回っていた。ふと我に返ると私一人でうふふあははと笑い転がっており、チョークはというと遠くの方でちょうちょを追いかけている。
「よー、何やってんだ?」
軽い雰囲気の声と共にガニ股で歩いてきたのは警察官だったという陽くん──唯一私の姿を爆笑した男だ。すぐにニッキーがボコボコにしていたが、笑った原因は私がコナンごっこをしていた所に出くわした為であることを心優しい彼女には言えないでいる。
陽くんは怪訝そうにしているが若干ニヤけを隠せていない。うふふあははと誤魔化しておいた。無駄に転げ回り汚れたのと少し蒸し暑かったのもあり、水浴びでもしようと復活初日に立ち寄った川に向かった。
服を死ぬほど叩いて土埃を落とし木の枝に掛け、靴を脱ぎ綺麗な川にざぶざぶざぶざぶざぶざぶざぶざぶと足を踏み入れた。ひんやりとしていて緩やかな水流が心地良い。少し冷たすぎる気もするけれど、この蒸し暑い日には最適だ。
誰もいないのをいいことにウホウホシャバダバと軽く泳いでみたり浮いでみたりしているとガサガサパキパキ音がした。ウキウキ私の服に手をかけているそいつらの三対のまん丸な目が「なんやこの真っ黒くて毛のない猿は」とでも言いたげに瞬く。
「
慌てて川から上がり服を引っ掴み、猿と取り合いになる。私の一張羅に何してくれるんだ! 絶対に負けられない!
「ウキーッ! キキッ!」
「ウキキッ!」
「ウッキウキ!」
「
三匹の猿に負け服も靴も持っていかれついでに頭もバチンと叩いていきやがった。ゆ、許せねえ……。
猿を追いかける気力はなく全裸でその場を右往左往。え? 裸で皆のところに戻らなくちゃな感じ? ていうか取られた服だって取り戻さないといけなくない?
「どうしよう……誰か通ってくれれば着替えをお願いして……いや、そんな都合よく──」
「猿にやられたな。違うか?」
振り返れば、全裸の龍水くんが両手を腰に当てて威風堂々と立っていた。
「俺もだ」
はっはー! と豪快な笑い声と指を鳴らす音が響き渡った。
「ぎゃああああ!!」
「ん? 安心しろ、こちらからはほとんど見えん」
「こっちからはほとんど見えてるよ! やったー!」
手で顔を覆い指の隙間から、筋骨隆々の美しい肉体を凝視する。股間の辺りにだけ藪から伸びた葉がちょうどよく隠している。惜しい! 一方、彼の頭上の枝からは何かの蔓が無数に垂れ下がり、それが私の姿をうまく隠してくれているのだろう。ありがとう。
「ひとまずこれを身につけるか」
龍水くんは茂みに絡まる蔓に手を伸ばした。葉がたくさん付いていて、なるほど局部を隠すにはうってつけだ。しかしやけにデカくてカラフルな芋虫が1匹うぞうぞ這っていた。
「ヒッ! 無理無理!」
「緊急事態だ。仕方ないだろう」
葉っぱの塊を掴む前に龍水くんの手がビタア! と止まる。葉を鋭く見つめる様子は只事ではないことを示していた。私も彼に習って蔓の葉を目を凝らしてじっくり見てみると、表面に細かい棘がびっしりだった。こんなものを身に纏えば絶対にただでは済まない。
「フゥン、やむを得ん。行くぞズンド子!」
即座に龍水くんは、ぷりっと引き締まったお尻をこちらに向けて皆の拠点がある方角へ歩き出す。このまままっ裸で戻るしかないってこと? まごついていると龍水くんが足を止めて軽く振り返った。
「それとも1人ここで待っているか?」
千空くんたちが言っていた、野生のライオンが出た話がふと頭をよぎる。
「待って〰〰! 置いてかないでえ!」
半泣きで龍水くんを追いかけた。
全身ひび割れで真っ黒になったことをこれほど感謝した時はない。いや、初めて感謝した。乳首まで黒くてよかった。
全裸の男女が並んで会話をしながら足早に歩く姿は他人からしたらさぞなんかもうやばいだろう。頭が上手く働かない、会話の内容も頭に入ってこない。視界の端でぶらぶらしているものが気になってしょうがないのだ。そう、龍水くんのちんちんである。直視はしていない。しないようにしているが度々ぶらぶらと視線誘導してくるので厄介でしかない。気を抜けば笑顔で手を振り返してしまいそうだ。
娯楽がないストーンワールド、裸の男女、何も起きないわけがなく……茂みの中からドデカい猪が現れた。デカすぎんだろ……。
「ヒッ!」
「縄張りに入ってしまったようだな」
猪はブゴォー! と嘶き丸く見開いていた目を鋭く吊り上げた。
「走れ!」
龍水くんは短く叫び私の手を取り走り出した。駄目だ駄目だ! 龍水くんのぶらぶらが激しくちんちんしている! 見ちゃ駄目だ! 猪が追いかけてきててそれどころじゃないのに! ああああぶらぶらがブレイクダンスしているゥ!
「抱えるぞ!」
「わっ」
正面から抱き締めるように抱えられ厚い胸板が密着し、走る振動が激しく伝わる。やばい、心臓が鼻から出そう。
「貴様、木は登れるか?」
「登ろうとしたことすらないよ」
「少し待っていろ」
太い枝が横に向かって生えている木のそばで下ろされ、龍水くんはワシワシと木を登り出す。デカい猪は細めの木なんかは薙ぎ倒す勢いの突進ですぐ側まで迫っていて、私ももうすぐ薙ぎ倒されて吹っ飛ばされる。さよなら。
「来いズンド子!」
木の上から伸ばされた手を迷うことなく掴む。青く見えるヒビの入った手は私の手を力強く握り、一気に引き上げた。ファイト一発! 汗が浮かぶ肌が眩しくてくらくらする。
猪はしばらく木の周りをうろついていたが、私たちが一向に降りてこないことを確認すると足下の匂いを嗅ぎながら元来た方へ戻っていった。どっと力が抜けたのは龍水くんも同じようで、木の幹に背中を預けて息を深く吐いている。
「見ろ、ズンド子」
示された方向に顔を向けると、木々の隙間から沈み始めた太陽が覗いていた。
「美しいな」
「うん……」
「貴様もだ」
「うん……えっ!?」
急に矛先をこちらに向けられ戸惑う。不意打ちはやめてくれ龍水くん。その技は私に効く。やめてくれ。
良い感じの雰囲気で寄り添って夕陽を眺める中、木の葉が揺れて見覚えのある黄色い帽子が生えてきた。羽京くんだ。
「いたいたうわっ。良かった、ここにいたんだ2人とも」
え? 今うわって言った?
羽京くんは近くの枝に飛び乗って小脇に抱えていたものを見せてきた。私と龍水くんが身につけていた、猿に奪われた服たちだった。
「はっはー! でかしたぞ羽京!」
先に木から降りた龍水くんに丁寧にエスコートされ私も降りる。べ、別にそこまでしなくても……ウヒヒ!
「服泥棒猿三人衆が君たちの服も持ち歩いていてね、スイカが交渉して取り戻してくれたんだよ」
「ありがとう、ありがとう羽京くん! いないけどスイカもありがとう!」
「無事ならいいんだ」
服と靴を受け取り何度も礼を伝えると、穏やかな容貌の彼は少し気まずそうに顔を逸らして帽子の鍔を引き下げた。
「? ……ハッ!」
そうだ、服がここにあるってことは、私が今すっぽんぽん全裸カーニバルの証明ッ! 今更恥ずかしくなってきて、自分の体を服ごと抱きしめるようにして隠して俯く。
「なんだズンド子貴様、羽京には恥じらうのか」
すぐそばで声がして固まる。龍水くんがほんの少しだけ不満そうな眼差しで私を見つめていた。惜しげもなく晒されている逞しい首筋、盛り上がった胸筋、バッキバキの腹筋。
「んぎゃああああああ!!」
私は顔から火を出して服も靴も抱えたまま駆け出したがすぐにずっこけた。2人に助け起こされ、今度こそ龍水くんの股間を目の当たりしてしまいまた叫んでしまった。
トホホ、裸はもうこりごりだよぉ〜!
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