【01】気がつけば、
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『凄い埃……』
「あの人が居なくなってから、掃除してなかったからねぇ……」
今日は祖母と一緒に蔵を掃除していた。普段、誰も入らない蔵は埃が多く蜘蛛の巣もたくさん張っている。
正直、掃除などしたくないのだが手伝いを頼まれたのだ、致し方ない。
そんな事を考えながら叩きを掛けていると、叩きが引っかかったのか棚の荷物が落ちてくる。
『うわっ!』
咄嗟に避けて自身は大事に至らなかったが、掃除しているはずが逆に散らかってしまった。
これじゃ、なかなか終わらないよ……。
溜め息をつきながら、落ちた物を片付けていると長細い箱から覗く光が目に入った。
『何だろう、これ……』
箱には“村雨(むらさめ)”と書かれてあり、開けてみると中身は鍔の無い日本刀と1枚の写真。たくさんの男達が楽しそうに笑っている。
『なんか、この人どっかで見たことが……』
男達の中央にいる人物には見覚えがあった。それは、実家のアルバムでしか見た事のない若かりし頃の祖父。
写真を手に取ったその時、体が浮くような感覚がした。それと同時に、目の前によく分からない光景が広がる。船の甲板で戦う写真の中の男達。その中に若かりし頃の祖父の姿。
『何……これ……』
光景に気を取られていると、強い力で後ろに引っ張られ周囲が真っ暗になった。