【02】お手伝い
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浮上した潜水艦のデッキで、景色を眺めてながら溜め息をついた。
結局、私は次の島までの乗船許可を貰い、船に乗せて貰うことになったのだが。
私、どうしてこの世界に来ちゃったんだろう……これって、夢小説とかでよくあるトリップってやつだよね? 私が、トリップさせられる意味が全く分からないんだけれど……出来れば、ブルックの居る麦わらの一味のところが良かったかな。
そんな事を考えながら、次は大きく溜め息をつく。
「うぜェ……」
突然の背後からの言葉に、驚きで体が跳ねる。振り返ると、予想通りの声の主が眉間に皺を寄せていた。
『驚かさないでくださいよ、ローさん』
「お前が勝手に驚いてんだろ」
眉間の皺が一層深くなる。
何かあったのか、今日はいつにも増して機嫌が悪い。
『……ご機嫌斜めですね』
「誰のせいだと思ってんだ」
その口振りだと、私のせいに聞こえるんですが。
「大体……乗せてやってんのに、溜め息ばっかりつきやがって」
『えっ、あぁ! 別に不満があるわけじゃないですよ、ただ……』
お母さんも心配してるだろうし、元居た世界に帰れるのかな……。とは、やはり言えるわけがない。私は一応、“海に落っこちて何処かから流れてきた”と言うことになっているのだから。そもそも、“違う世界から来た”なんて言ったって、誰も信じやしないはず。
言葉を止めた私に、続きを急かすような目でこちらを見るロー。
『……いや、何でもありません』
目を伏せて首を振ると、彼はそれ以上詮索しなかった。
ローは案外優しい人かもしれない。きっと、私が溜め息ばかりついていたから心配してくれたんだ。なんて自分本位な解釈をして、また景色に目を移す。
『……海って広いですね』
「当たり前だ、小せェ海なんざ面白くもねェだろ」
『ふふふ、そうですね』
小さく笑うと会話が止まった。不思議に思って、ローの方を見ると目が合う。と言うよりも、彼がジッと私を見ているのだ。
『何ですか?』
「……いや、何でもねェ」
ぶっきらぼうに言うと、こちらを見るのを止めて海の方へ目線を移動させる。
何だったんだろうか、と考えても答えが出る訳じゃない事ぐらい分かっているので、すぐに考えるのは止めて同じように海に目をやった。