【04】酒盛り
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何だかんだで、不本意ながら私は海賊となってしまった。私はただ、元の世界に帰りたいだけなのに。
前を歩く2人に目を向ける。ペンギンとベポだ。ローはと言うと、2人に私を任せて何も言わず何処かへ行ってしまった。
全く、船長と言うのは自由人だなぁ。と、小さく溜め息をつく。
「久遠、まずは……どうした?」
『あ、いえ、何でもありません』
「そうか。まずは服から揃えよう」
服からって……あぁ、そうか。私、今日から船暮らしだもんね、日用品とか必要だし。
はい!と元気よく返事をするものの、店に入ってから気付いた。私は、日用品を揃えるだけのお金を持っていない事に。そんな私の心中を察したのか、ベポは膨らんだ皮袋を手渡してくる。
「キャプテンからだよ」
『ローさんから?』
ずっしりした重さの皮袋を開けると、紙とコインがこれでもか!と言うほど詰まっていた。それは私が持っているのと同じ、この世界のお金だ。
『……こんな大金で何を買えと?』
「必要な物を買って余れば好きに使え、と船長からの伝言だ」
きっと、大量に余ります。
思いつつ、服屋に入りあれやこれやと服を選んで購入した。
「着替えて行かれますか?」
店主は私を見て言う。フと自身を見ると、色々あってみっともない格好になってる事に気が付く。
こんな格好のままじゃ、女子としては駄目だよね……。
私は二つ返事で店の奥を借り、購入したばかりの真新しい服に着替える。
黒いタンクトップの上から、左肩が大きく空いた黄色い無地のロングTシャツに、白のジーンズと言う組み合わせ。
『ハートっぽいファッションにしてみました!』
着替えを終えて、ジャーンと言いながら出て来て2人に見せると、まあまあの評価を得た。