【07】クルー
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「そろそろ出航するぞ!」
ペンギンの言葉にクルー達が皆持ち場に着く。私はと言うと、ローに呼ばれて船長室に来ていた。軽くドアをノックして『失礼します』と一言言い中へ入ると、彼はやっと来たかと言わんばかりの表情で私を見る。
『ペンギンさんに言われて来たんですが……』
「お前の部屋が出来た」
言いながらローは、船長室の奥に設けられた真新しい扉を指さし、私に開けるよう目で促す。扉の前に行き、ようやく出来た自室に胸踊らせ扉を開けると4畳程の空間。そこにはベッドをメインに1人用の机と椅子、クローゼットといった必要最低限の家具が置かれている。
『おぉっ、これが私の部屋……』
喜びながら部屋に入り、中を見回していると部屋に何か違和感を感じた。
この部屋、何か足りない。
少し考えると、簡単に気付く事だった。部屋の外、船内の廊下に出るための扉が無かったのだ。唯一ある扉は船長室への扉だけ。
『……扉が無いです』
ローの方を見て言うと、彼は何言ってるんだと言う顔で言い返してくる。
「有るじゃねェか、そこに」
『船内へ出る扉ですよ!』
「おれの部屋を通りゃァ出れんだろ」
『ローさんの部屋を通らない出入り口が欲しいんですが……』
「あのなァ……お前は一応は女だ、他のクルーの風紀を乱すかも知れねェだろーが」
風紀って何だ、そんなの海賊にあるのか? ……まぁ、男所帯での私の身の安全を考えて、この部屋になったのだろうけど。
溜め息をつくと睨まれた。
「んだ、お前はそんなに廊下で寝て襲われてェのか?」
『皆さんは私にそんな事しません』
当然だと言わんばかりに言い返すと鼻で笑われる。
『何が可笑しいんですか』
「危機感のねェ頭だと思ってな」
『何をぅ!』
言い返してやろうと思うが、言い返すだけ無駄だと思い直す。
「それから……風呂は、今まで通り俺の部屋のを使え」
『はーい』