謎の人物、レオに連れられてポケモンセンターに来たメグミ達。
ポケモン達を一旦預けると、人があまり来ないスペースに腰を下ろした。
「それで……まずは何から話そうか……」
バショウとブソンに向かい合うレオが口火を切る。
メグミとアキラも彼と同じ長いソファーに座って言葉の続きを待てば、話の流れなどを考慮したレオはまずミラーボの事から説明する事に決めた。
「さっきのトレーナーはミラーボ。見た目に反してかなりの手だれだ。奴は以前、ポケモンを洗脳してオーレを征服しようとした、シャドーという組織の幹部だった」
組織の事はイッサから聞いていたバショウ達は特に大きな反応もせず、レオの説明の続きを静かに待つ。
「俺がシャドーを壊滅させたんだが……その後にもシャドーはポケモンを洗脳して、再び征服を始めようとした」
「またレオが倒したの?」
「いや。丁度その頃、俺はオーレを離れていた。別のトレーナーが倒してくれたらしい」
「倒せたのはその組織が弱かったからとして……そう簡単にポケモンに洗脳が出来るんですか?」
珍しいバショウからの問いかけにレオは「簡単かは分からない」と、まずは曖昧に答える。
「でも洗脳をする為の……ダークポケモンを作る工場もあったと聞いている。ダークポケモンは人工的に心を閉ざされ、戦闘マシンと化されたポケモンの事をいう。……俺はこの肩のマシンを使って、人の手に渡ったダークポケモンを保護して来た」
青いコートに取り付けられた鎧のような機械に全員の目が向けられる。
「これはスナッチマシン。ダークポケモンをシャドーから救う為に、これを使ってゲットするんだ」
「そんなのでポケモンをゲット出来るのか……。……ん?でもさ、ダークポケモンとはいえ、人のポケモンだろ?」
アキラも直接的な表現こそしないものの『それは泥棒じゃないのか?』と尋ねると、レオは静かに答えを出す。
「俺はかつて人のポケモンを盗む組織……スナッチ団だった。……だがある日、そんな組織に身を置いてる事に嫌気が刺した。それで俺は……」
「スナッチ団を抜けたのね」
「まあな。でも手ぶらなのも何だから、このスナッチマシンをいただいて行ったけどな」
メグミの言葉を肯定してプラスするレオ。
そんな彼にメグミとアキラがちゃっかりしていると呆れながらも笑うと、レオの雰囲気も柔らかさを放つ。
「それでレオはさっき、私達の味方でもないなんて言ったのね」
「ああ。もうスナッチ団の活動はやめたとはいえ、ダークポケモンを捕獲する為に人のポケモンをスナッチしている訳だからな」
一同は成る程、と納得する。
その時、センター内にアナウンスが流れた。